参考人とか重要参考人という言葉があります。
なんとなく容疑者と似ているように思えますが,どこがどう違うのでしょうか。
目撃者や被疑者の友人など,事件について何か知っているかもしれないので警察や検察に話を聞かれる立場にある人のことを,法律上「参考人」と言います。
そして,参考人のうち,まだ被疑者ではないが,もしかすると犯人かもしれないという可能性がある人のことを,警察用語で,勝手に「重要参考人」と言っています。
実は,この「重要参考人」には,大きな問題があります。
法律では,被疑者に対して黙秘権が保障され,取調べでは黙秘権を告知しなければならないことになっています。
ところが,参考人に対しては黙秘権告知をしなくてもいいのです。
重要参考人は,事実上,犯人として強く疑われているのに,まだ被疑者ではないという名目上の理由をつけられて,黙秘権を告知されず,十分な黙秘権保障を受けられないまま取調べを受けている可能性があるのです。