テロかゲリラかゲレツか

今日,11月23日午前10時ころ,靖国神社の男性用公衆トイレの個室に爆発物が仕掛けられ,爆発があったとのことです。天井に穴が空いていたとか。

ちょうど新嘗祭のはじまる時刻でもあり,連休中で家族連れなど人出も多く,賑わっていた時でした。


靖国という場所柄,犯人像については,言わずもがな日本国民の多くが同じ想像をするでしょう。


そのことがとても残念だし,また,とても怖いことだと感じます。




私たちは普段,通り魔的な事件を見聞きする度に,「防止する方法がないから怖いよね」といった話をします。マスコミの論調もそうです。


けれども,何か事件があったときに国民の誰もが「同じ想像」をしてしまう状況こそ,実は,通り魔なんかよりも,ずっと怖いことなのではないでしょうか。



フランスのテロ事件を機に,今,ヨーロッパを中心とした諸国で無差別テロへの恐怖が高まっています。

日本は欧米を支援して実質的にイスラム国と戦闘している状態にあるのですから,日本で同様の恐怖感が高まっていないことのほうが不思議です。

テロと戦う国になるということは,そういうことです。


誰が犯人であれ,今回の靖国爆発事件を起こした者にとって,フランスのテロ事件がひとつの心理的きっかけであった可能性が極めて高いと思われます。

そういう意味で,この事件は,フランスのテロ事件と軌を一にするものと言えるでしょう。


ところが,マスコミの多くが,今回の靖国爆発事件を「ゲリラ事件」と報じています。

どうして「テロ事件」でないのでしょうか?



これはおそらく,警察発表を鵜呑みにする日本のマスコミの報道姿勢の結果です。

なぜなら,日本の警察発表では,対人攻撃をテロ,対施設攻撃をゲリラと呼んで区別することがあるからです。

今回,爆発したのが公衆トイレであって,人的被害が出ていないことから,警察はこれを「ゲリラ事件」として記者発表した可能性が高いのです。


しかし,通常の用語では,「ゲリラ」は「遊撃」の意味であり,少数で奇襲等を行う戦法・戦術(またはその部隊)を指します。なので,日本の警察用語は不適切です。

そもそも,今回の靖国爆発事件が対施設攻撃だったのか,対人攻撃であったのか,まだわからないのではないでしょうか。(時限式の発火装置が見付かっているとの報道が事実であれば,対人危害を排除していたとは言いにくいですね。)

マスコミには,もっと言葉に気を遣って,主体的で責任ある調査と報道をしてほしいと思います。




もっとも,今回の靖国での事件を「テロ」だと報道するとしたら,それはそれで馬鹿馬鹿しいように思いますね。



「ゲリラ」という表現は本来の意味が異なるので少し気になりましたが,では何と表現すべきなのか?

本当のところ難しい……というより,その区別には意味が無いと考えます。


何がテロで,何が戦争で,何が虐殺行為で,何が単なる犯罪なのか,それを誰が決めるのか,それが決まると何か違いがあるのか。



そこに,何も違いはないはずです。



「テロ」との戦いで遠距離から巡航ミサイルを大量に撃ち込んで兵士と民間人をまとめて殺す行為も,やっぱり同じ「テロ」でしょう。

それは,犯罪でもあり,戦争でもあり,虐殺でもあります。違いはありません。


個人であれ,組織であれ,国家であれ,誰がどうやっても,それは,ただただ下劣なだけの行為だと思います。

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