「結婚事件」と顧問契約の不思議な関係

弁護士というのは因果な職業でして,依頼者の皆様が様々なトラブルや不幸に見舞われることで仕事が生まれています。世の中で「医者と弁護士には関わらないのが幸せ」などと言われてしまうのも,無理からぬところです。

何しろ,おめでたいことや幸せな状況では「事件」になりません。

私はよく,

「弁護士の仕事に『離婚事件』はあっても『結婚事件』は無いですからねぇ。ははは。」

などと笑っております。


もっとも,これはあくまでも冗談であって,本当は正しくありません。


確かに,トラブルが起きれば,そこに弁護士の仕事(法律問題や事件)が生まれます。

しかし,実はトラブルが起きる前にこそ,弁護士の本当の価値があるのです。

トラブルを未然に回避・防止することができる弁護士こそ,真に実力のある弁護士です。

依頼者側となる可能性のある企業でも個人でも,弁護士の助言を早期かつ適切に取り入れることで,賢いリスク管理が可能になります。

そのためには,「かかりつけの医者」と同様に,「かかりつけの弁護士」との継続的で緊密な関係性が必要になってきます。


そこで有用なのが顧問契約です。


企業規模の大小を問わず,果敢に経営戦略に取り組む会社であるほど,多角的戦術がもたらす多面的で新しいリスクに,常にさらされ続けることになります。

であればこそ,特に変動の激しいこれからの時代の成長企業にとっては,かかりつけの弁護士との顧問契約が,効果的な「保険」(セーフティーネット)の役割を果たすようになっていきます。


個人のお客様が弁護士との顧問契約を結ぶケースはまだ多くありませんが,代わりに今後は,生命保険や医療保険と同様,個人の弁護士保険がスタンダード化していくことでしょう。個人事業主や専門職等の個人を対象とした新しい顧問弁護士契約のスタイルが広がる可能性もあります。



ちなみに,「結婚事件が無い」というのも,本当は正しくありません。


他の弁護士に聞いたら誰もが「結婚事件なんて知らん」と言うでしょうが,少なくとも私は,過去に「結婚事件」と呼べるようなご相談を何度か経験しています。

民法第755条には,婚姻届出前にのみ可能な「夫婦財産契約」という特別な制度があるのです。結婚前にできるほとんど唯一のトラブル予防法なのですが,日本では極めて実例が少ないのが現実です。

資産を有する方がこれから結婚しようという場合には,必ず事前にご相談ください。



ん? だとすると,結婚もやっぱり「発生前のトラブル」の一種なのではないだろうか……。

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