弁護士の相談料の相場は30分5,000円(+消費税)からで,私の場合も基本的には同様です。
これを,「ただ話すだけなのに高すぎる」と感じる人もいて,それはそれで別におかしくはありません。価値観の問題です。
ただ,問題を抱えた際に専門家のアドバイスを得る機会が遅れると,結果的にトラブルは大きくなりがちで,解決も困難になって長引き,かえって費用も嵩む場合があります。
ギリギリまで相談を迷ったり後回しにしたりしていて,どうしようもなくなってから,「相談」ではなく「依頼」をしたいんだと駆け込んでくる方が,実に多くおられます。
弁護士の相談料とよく比較されるのは,医師の診察料ですね。
しかし,医師には国民皆保険制度があるので,そのまま料金を比較することはできません。
しかも,初診料や薬の処方などの諸費用が伴うのが普通で,診察だけで終わることもほとんどありません。それに,診察は診察だけであって,治療しなければ病気は治りません。
でも,弁護士の法律相談は,相談料だけで解決・終了するケースが,かなりあります。
というわけで,相談の料金に関しては,医師の診察と比較するのは正しくないと思います。
ほかの弁護士が誰も本当のことを言わないので,私がはっきり言いましょう。
弁護士の相談料は,「占い師の見料(相談料)」と比較したらいいんです。
だって,お客様が自分の抱えた問題やトラブルについて,赤の他人にお金を払って解決のヒントとなるアドバイスを聞こうとするのですから,近いというより,ほとんど同じものでしょう。
でもって,どっちかと言えば,法律相談のほうがちょっぴり実用的で,むしろ安いと思うんです。
それで,私はよく冗談交じりで,こんな話をしちゃいます。
「私が占い師だった頃,見料は今と同じ30分5,000円,弟は家庭教師で2時間5,000円でした。母は漫才師で5分で5万円,父はペテン師で3分100万円でした。」
「……」
「わかるかなぁ,わかんねぇだろうなぁ(笑)」
「……ははは(わかんないんですけど?)」
これ,松鶴家千とせを知らないと全然笑ってもらえないわけですが,ともかく,相談料については医師じゃなくて占い師と比べてもらったらいいと思います。
大企業の社長やトップ政治家など,重大な決断を迫られるポストにいる方々には,占いを人生の指針の一つとしている人が多くおられます。
ただ,あまり他人には言いませんね。変に誤解されることがありますから。
優れた占い師による占いというのは,言わば天から降ってくるアイデアのようなものです。
現実社会にまみれた自分の過去の経験や感情からは決して生み出されない発想で,物事の別の一面を象徴的に切り取ってくれます。それを自分なりに柔らかい頭で解釈し,自分の抱えた問題に対する新しい解決の視点を探るのです。
あるいは,既に半ば心を決めた重大な決断について,背中を押してもらうためのスイッチにする人もいます。
いずれにしても,成功者の方々が占いを積極的に利用するのは,占いを「信じている」からではありません。それが自分にとってどう役に立つかをわかっていて,アドバイスの上手な使い方を心得ているのです。
これは,弁護士の法律相談でも,究極的には同じなんです。
弁護士による法的アドバイスを受けても,それを上手に使える方と使えない方がいます。
専門家によるアドバイスの大切さを理解できる方にとって,法律相談は決して高くはないはずです。なにしろ,「ただ話すだけ」で問題を解決してしまうことすら,あるんですから。
力のある経営者の方が,わざわざ相性の良い弁護士を探してまで顧問契約を結ぼうとするのは,良質の相談の機会を優先的に確保するための安い投資だと考えるからです。
ところで,先ほどの「私が占い師だった頃」のお話。実は,私に関してだけは本当です。
小さい頃から,四柱推命,奇門遁甲,紫微斗数,西洋占星学,インド占星学,タロット,カバラ,易占,相術などを学んでいて,司法試験の勉強を始める前には,わずかですが占い師として小銭を稼いだ時期もありました。
その後,何年も頭の中に法律を詰め込んでいたら,占いの知識は驚くほど忘れ去ってしまいました。
でも,今もタロットカードを数十種類もコレクションしたりしています。きっと,燻るものがあるんでしょうね。
占いができると女の子と話が弾むから,とかでは決してございません。
ま,法律より占いのほうが恋愛に役立つのは間違いないんですけど。
あと,こういうのもあります。
「俺が昔,占い師だった頃,弟は陰陽師だった。お袋は霊幻道士で,親父はキョンシーだった。……わかるかなぁ。わかんねェだろうナ。」
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