次の旅は何処へ

先日,近しい人を亡くしました。

いずれ遠からずと覚悟していたことでしたが,それでも別れの痛みは心に刺さります。


 

彼から,とてもたくさんのものをもらいました。

彼の死は,さらに多くのことを教えてくれました。

 

もはや伝えられない感謝と,取り戻せない日々への後悔。

ふと立ち止まる一瞬の時間に,現実感を奪われそうになります。

 

弁護士として多忙を極める中,翌日からすぐに仕事に没頭できたことは幸運でもありました。


 

苦しみばかりの病院の検査で,「体の中に(人工関節などの)金属がありますか?」と聞かれて,「男なんだから,あるに決まってるだろう。」と股間を見て,看護婦さんを困らせた人。


ケンカをすると,「ほっといてくれ。」「しょうがねえだろ。」「いいんだよ。」しか言わなかった人。

でも日記には,「ありがたい。」「迷惑をかけたくない。」と書き残していた人。


 

日記の最後の行には,静かに死を受け止める彼の豊かな感性が輝いていました。


 

 

「又 違う景色が見られるかな…。」